13 小石川谷中本郷絵図


                   
  

13 小石川谷中本郷絵図    戸松昌訓図 尾張屋清七 嘉永6年(1853) 木版色刷 50 × 53 cm        総合図書館(南葵文庫) SJ:115  尾張屋(金鱗堂)は、近江屋の切り絵図刊行に触発されてか、嘉永2年(1849)に江 戸全体の切絵図刊行を始めた。非常に売れた地図であり、今日まで多くが伝わっている。当 初28図のち31図で江戸全体を収め、近江屋版と同様セット販売もされた。  尾張屋は、近江屋と同じ麹町にあった錦絵双紙店で、このためか、使用している色数も近 江屋版の3色に対して5色と多く、彩色もより原色に近く派手である。また寺社等もより絵 画的であり華麗な図となっている。展示地図は、近江屋版と同じ区域であるが、図左の「湯 島聖堂」等もより絵画的であることがわかる。近江屋版よりも記号を多用し江戸図の影響も あって大名上屋敷には家紋を朱色でしるし、中屋敷、下屋敷も記号で示している。

                              
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