6 江戸方角安見図


                   
  

6 江戸方角安見図 表紙屋市郎兵衛板 木版手彩色 32×23 cm 乾:延宝7年(1679)(89頁)・坤:延宝8年(1680)(81頁)[各39図] 史料編さん所 5246-11 寛永以来江戸図の刊行は十有度に及ぶが、大型の絵図は狭いところでは見にくく、開閉時 における折目の損傷・擦り切れで取扱上の不便があった。一方、小型図は細部が見にくい。 これらの短所を改善すべく考案されたのが冊子型である。しかし、切図では全体が一覧でき ないため総図[折畳本。亡失したと考えられてきたが、近年所在が確認された。展示の資料 は欠]が添えられ、2冊・1鋪で一揃いという形で売り出された。 展示されている部分は、現在の赤坂見附付近である。青に塗られた部分は、赤坂御門を境に 左が濠、右が溜池[現在埋立られ道路]、黄は道路である。□に東西南北を書き込んだ記号 で方位をあらわしている。坂には横棒線の印を、神社(山王権現等)には鳥居を、辻番所に は黒い四角印(■)をつける。大名(紀伊徳川家上屋敷・井伊家中屋敷・尾張徳川家中屋敷等) と役頭の旗本の屋敷には名前の上に家紋をつける。町屋は黒く塗りつぶしている(麹町三丁 目〜十丁目や赤坂田町等)。測量図を手本としているが、樹木を配するなど絵に近づけて解 りやすい図になっている。

                              
展示図録へ戻る    展示会入口へ戻る
E-mail: sanko@lib.u-tokyo.ac.jp