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4 新添江戸之図 写本(原図:明暦3年(1657)江戸太郎右衛門) 123 × 62 cm 総合図書館(鴎外文庫) J81:86 初期江戸図の一つであるが、上が浅草、下が芝,右が海、左が青山と縦長で、北を上にし ているのは異例である(通常、江戸図では「西」を上にする)。新添とは、江戸の西南方面 を拡大して新しく添えたとの意味である。なお、奥書の開板は、明暦3年正月吉辰となって いるが、作図完了はそれより2、3ケ月前の明暦2年と思われる。明暦3年正月18日から 19日は、本郷の丸山から出火した明暦の大火で、市街の3分の2が焦土と化し、死者10 万人、町家はもちろんのこと、大名屋敷、寺院も大半が焼け落ち、江戸城でさえも西丸御殿 を残すのみであった。世に言う振袖火事である。この「新添明暦図」は大火直前の江戸市街 図を知る貴重な明細図である。