は じ め に


 このたび、附属図書館では「東京大学総合図書館漢籍目録」の刊行を記念し、所蔵漢籍展示会を開催することといたしました。

 当館は、周知のとおり、大正12年の関東大震災により、その蔵書のほとんどを焼失し漢籍についても数多くの貴重な資料を失いました。 しかし、震災直後より、徳川頼倫氏(南葵文庫)らの多くの篤志家からの相次ぐ漢籍コレクションの寄贈や青洲文庫をはじめとする個人収蔵の貴重な文庫の購入により、現在、一万点にのぼる漢籍を収蔵するにいたっております。

 本展示会は、総合図書館が所蔵する漢籍コレクションの旧蔵者たちを振り返りつつ、その形成のあとをたどろうとするものです。展示される漢籍は、所蔵漢籍のごく一部ですが、この展示をとおして、当館の多彩な漢籍コレクションの一端を紹介できるものと思います。今回はインターネットからもご覧になれるようマルチメディアによる展示システムも用意しました。

 この展示にあたりまして、附属図書館研究開発室に所属する大学院人文社会系研究科・文学部大木康助教授に全体的なご指導をいただいたほか、各漢籍の解題には、漢籍目録編纂を指導くださった先生方をはじめ諸先生方にご執筆いただきました。厚く御礼申し上げます。

[館長メッセージ(声)/151K]
東京大学附属図書館長

     開 原  成 允


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