幕末の遣欧使節団

5.幕府イギリス留学生


 幕府はイギリスの諸学術を研究させるため、幕臣の子弟よりイギリス留学の志願者を募集し、開成所で試験をおこなった結果14名を選抜、中村正直と川路太郎を取締りに任じた。

 一行は慶応2(1866)年10月横浜を出帆、同年末にロンドンに到着、各人の年令に応じた勉強体制をとることとなる。幕府瓦解により短期間で帰国せざるをえなかったが、中村正直をはじめとして、明治期に各界で活躍することとなる。写真の配列は年令順とした。

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なかむら まさなお
中村正直 (35歳)
(号敬宇、儒者)

かわじ たろう
川路太郎 (23歳)
(川路聖謨孫、歩兵頭並)

いわさ げんじ
岩佐源二 (22歳)
(後静岡学問所%刹ウ授)

いとう まさのすけ
伊東昌之助(20歳)
おか やすよし
(岡保義、寄合医師医学所
 取締伊東長春院四男として
 受験・合格)

やすい しんぱちろう
安井真八郎(20歳)
(静岡移住後不明)

外山捨八 (19歳)
  とやま まさかず
(のち外山正一、
 東京帝国大学総長)

なるせ じょうごろう
成瀬錠五郎(18歳)
(歩兵頭席大砲組
 之頭成瀬対馬守怱領)

すぎ とくじろう
杉 徳次郎(17歳)
(杉亨二の甥、
 のち静岡学問所四等教授)

はやし ただす
林 董  (17歳)
(佐藤泰然五男、
 のち外相)

10

みつくり けいご
箕作奎吾 (15歳)
(箕作秋坪長男、
 明治4年大川にて溺死)

11

いちかわ もりさぶろう
市川森三郎(15歳)
(市川兼恭二男、
 のち平岡通義の養子、
 東京大学理学部教授)

12

みつくり だいろく
箕作大六 (12歳)
(箕作秋坪次男、
 のち菊地大麓、
 東京帝国大学総長)

※いずれもロンドンの写真家ノーディン(Naudin) 撮影のもの
※年齢は慶応2年現在のもの

 < 以上の出典 >

 ●明治名士写真帳(~−リ−139)
  ※オリジナル写真アルバム

  5−1〜12


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