『植物園一覧図及沿革誌参考図類』 [ショクブツエン イチランズ オヨビ エンカクシ サンコウズルイ] 東京帝国大学・編刊 大正4年(1915) 1枚(縦 76cm × 横 66cm) 【請求記号:J81-409】
東京大学理学部附属植物園小石川本園、通称小石川植物園の大正4年当時の園内案内図。同植物園の沿革を記した6種の地図が付記されている。この地は、5代将軍綱吉が館林藩主であったころ、同藩下屋敷の白山御殿のあった所。貞享元年(1684)に徳川幕府が麻布薬園を白山御殿の北端へ移し、幕府の薬草園(小石川御薬園)を設けたのが植物園としての起源である。享保6年(1721)、本草好きであった将軍吉宗が白山御殿跡地を全面的に薬園とした。これは殖産興業の政策でもあり、薬用草木の試植や増産が盛んに行われた。享保20年(1735)には、青木昆陽により甘藷の試植が行われた。園内案内図にも記念碑が記載されている。また、案内図の中央上部に肉桂林と記述されているが、肉桂の試植は享保10年(1725)から行われている。
小石川御薬園は、明治8年(1875)に文部省博物館の附属となり小石川植物園と改称され、さらに明治10年に東京大学の附属植物園となった。