内容は主に五運(土運、金運、水運、木運、火運)と六気(厥陰風木、少陰君火、少陽相火、太陰湿土、陽明燥金、太陽寒水)、およびその疾病との関係を解説した論である。
岡本一抱(1686-1754)は、江戸時代中期の医師。越前福井藩医杉森受慶の子で、近松門左衛門の弟。京都で味岡三伯にまなぶ。古医書の平易な注釈書(諺解書)を数多く残した。
河口新任(1736 - 1811)は、江戸時代の蘭医。初め長崎に遊学して南蛮外科を学ぶ。のち京に上って、当時名医の聞こえ高い荻野元凱(1737 - 1806)について学んだ。70年(明和7)京都の西郊で元凱とともに刑死体を解剖し、このときの所見をまとめて『解屍編』として72年(明和9)に出版した。この解剖は杉田玄白らの江戸・小塚原の腑分の前年にあたり、本書は西洋解剖学の正しさを認識させるうえで大きな力があった。