サンスクリット写本

 総合図書館蔵のサンスクリット写本は、高楠順次郎(1866〜1945)がネパールにおいて収集した180点に、川口慧海(1866〜1945)将来の390点を加え、1915年に文学部梵文学研究室に収められた総数570点の写本を基礎とする。不幸にしてその一部は関東大震災の折りに焼失したが、残された518点の写本は1923年、現総合図書館の完成を機に同図書館の防火室に移され、保管されている。1965年に同写本に関する松濤誠廉編の目録(Matsumani(1965))が刊行されると、本写本は内外の研究者の更なる注目を集め、現在に至るまで、貴重な一次資料として研究者に供されてきた。なお、以下の解説文中のONとNNはそれぞれ松濤目録の旧番号と新番号をさす。

1. Satasahasrika Prajnaparamita 『十万頌般若経』
2. Saptasatika Prajnaparamita 『七百頌般若経』
3. Avadanasataka 『アヴァダーナ・シャタカ』
4. Samvarodayatantra 『サンヴァローダヤ・タントラ』
5. Tattvaratnavali 『真理の宝環』
6. Prasannapada 『プラサンナパダー(浄明句論)』
7. Bodhicaryavatara 『入菩提行論』
8. Kriyasamgrahapanjika 『クリヤーサングラハパンジカー(所作集細疏)』
9. Catuhstavatika 『四讃頌注』
10. Alokamala 『明鬘論』
11. Katantra & Katantravrtti 『カータントラ』『カータントラ・ヴリッティ』
12. Subodhiniganatippanika or Katantra-ganavrrtti 『スボーディニー・ガナ・ティッパニカー』または『カータントラ・ガナ・ヴリッティ』


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