中国・朝鮮の写本・刊本

 19・20は西域出土の諸国語の断簡を貼り合わせたもので、厳密には中国の写本と言えないところもあるが、清朝末期の収集できわめて貴重なものである。従来、同種のものとして静嘉堂文庫所蔵本などが知られていたが、総合図書館所蔵本は新資料として注目される。中国の古写本として、東洋文化研究所の敦煌写本11点(うち3点展示。21・22・23)、及び『瑠璃王経音義』(24)がもっとも貴重なものである。敦煌写本は戦前に東方文化学院が購入したもので、施萍 「日本公私収蔵敦煌遺書叙録」(『敦煌研究』1995.4)に紹介されている。本学には中国の仏教関係の古刊本はきわめて少なく、青洲文庫所蔵の宋版大蔵経断簡がわずかに貴重なものであるが、そのうち、『涅槃経疏三徳指帰』(25)の当該箇所はかつて逸失したと考えられていた部分である。朝鮮本(26〜29)は、文学部に貴重な版本のコレクションがある中から、今回注目される仏典を選んで展覧する。

19. 出善善県土峪溝各種残経(西域諸語断簡集)
20. 出高昌仏跡各種断簡(西域諸語断簡集)

21. 大般涅槃経巻第二十四光明遍照高貴徳王菩薩品第十之四
22. 四部律并論要用抄巻下
23. 四分律刪補随機羯磨巻下 
24. 瑠璃王経音義
25. 宋版大蔵経 涅槃経疏三徳指帰巻第十五
26. 牧牛子修心訣
27. 仏頂心陀羅尼経3巻諺解3巻
28. 水陸無遮平等斎儀撮要1巻附疏榜文牒節要
29. 野雲自警


「仏教関係貴重書展」トップページへ