東京大学附属図書館では、全学で所蔵している貴重な資料を、一定のテーマなどによる企画に基づき、学生や教職員の皆さんをはじめとする多くの方々にご覧いただくための展示会を開催しています。
このたびは、アジアにおける貴重文献のうち、仏教に関係する書籍を特集することとなりました。
仏教文化は、私たち日本人を含め多くの人々の精神文化に大きな影響をもたらしてきました。
仏教は、インドに発し、東南アジアの各地域をはじめ、チベット、中国、モンゴル、朝鮮半島からわが国までの広範な地域に伝播し、それらの諸地域に膨大な量の仏典等をもたらしました。
永年にわたっての仏教の広がりがアジアにおける書物の発展史の礎ともなったわけですが、アジアの各地域にいきわたった仏典などのさまざまの写本、版本の一部が本学の所蔵となっています。
今回の展示会では、文学部、東洋文化研究所、史料編さん所、そして総合図書館が所蔵する仏教関係の貴重な文献の約50点ほどをご紹介いたします。
展示企画にあたりましては、この分野をご専門とされています大学院人文社会系研究科・文学部の末木文美士教授と斎藤明教授のお二人のご指導とご協力を仰ぎました。
また、関連企画としての記念講演会では、両教授に講師を担当していただくことになりました。紙面をもって、ご紹介とともに厚く御礼を申し上げる次第です。
平成13年6月
東京大学附属図書館長
落合卓四郎