東京大学新図書館計画公式ウェブサイトは、2018年3月31日で更新を停止しました。
 最新情報は附属図書館ウェブサイトのページをご覧ください。

東京大学新図書館計画公式ウェブサイト。最新情報をお届けします。

東京大学

東京大学新図書館計画

新館建設工事中の発見物:金属製の箱を開封しました

現在、総合図書館前広場では、新図書館計画のもと、広場の地下に300万冊を収蔵する自動化書庫と学術交流のための空間であるライブラリープラザ(仮称)をもつ新館の建設工事を行っています。一昨年から準備工事を行い、4月からは本格的に地下工事も始まるこの現場で、興味深い発見がありました。

それは、工事敷地での埋蔵文化財調査で出てきた旧図書館(創建1892年(明治25年)、関東大震災で焼失)のレンガ基礎の解体作業中に、そこに埋め込まれていた約10cm×17cmの金属製の箱が見つかったことです。

発見現場 金属製の箱
<写真左:発見時の様子(2014年7月2日)/写真右:発見された箱;「明治23年8月25日 図書館」とある>

この旧図書館基礎は、歴史の偶然で、旧図書館自体が関東大震災で焼失後にも撤去されずに生き残り、今回のアカデミックコモンズの掘削によって発見されました。そして、その中に埋め込まれた箱が発見できたことは非常に驚きであり幸運なことと思われます。解体作業中に気づかず解体の工具で突いてしまい、金属の箱に穴が開いてしまったのですが、通常機械で一気に行う解体作業を、人が工具を使って行ったからこその発見でした。

旧図書館外観
<写真:北東側から見た旧図書館>

開けたところ、中には明治23年8月25日の官報に包まれた金属プレートが入っていました。プレートには、表面に明治23年起工「帝国大学図書室」、裏面に工事に関わった建築技術者達の氏名(工事監理に山口半六、設計に久留正道。両名は文部技師で、久留は本学出身、明治14年卒)が刻印されており、これは創建当初の資料がなかったため永らく設計者が特定できなかったものが、今回初めて明らかとなりました。

開封結果_small
<写真:開封した箱の中から出てきた金属プレートとその書き起こし(2015年2月5日)>

寺社建築の屋根内部に打つ棟札や現代の定礎箱に近いものと考えられますが、明治期に同様の事例が発見されていないようなので、日本の建築史の中でも重要な発見となる可能性があります。

新図書館計画の詳細については、今後もこの新図書館計画公式ウェブサイト公式ツイッターアカウント公式Facebookアカウント等でお知らせしていきます。本発見の続報も含め関連の情報を発信していきますので、是非アカデミックコモンズの工事とあわせて楽しみにして頂ければと思います。

東京大学基金

トップへ戻る