館長挨拶
社会が大きな変化の時期を迎えている今、大学には、未来への確かな指針を示す学術研究と、未来の社会を担うべき優れた人材の育成が強く期待されています。これらの教育研究活動において、学術情報が必要不可欠であることは言うまでもありません。世に情報が溢れているだけ、良質な学術情報の持つ意味は、より大切になっています。大学図書館は、この良質な学術情報を収集・保存し、安定的に提供する役割を有し、学生・教職員へのサービス機関として、大学における学術情報の重要な基盤を構成しています。
学術情報をとり巻く環境にも変革の波が押し寄せている時代に、大学図書館は、これまで果たしてきた学術情報の収集・保存・提供サービス機能を高度化すると同時に、新たに情報発信・アクセス・活用サービス機能をも含めた総合的な機能を実現することを求められています。
そのような時代の要請に応え、東京大学附属図書館は、電子媒体と紙媒体それぞれについて安定的な学術情報基盤形成を図るため、学術雑誌・電子ジャーナル等購入経費の全学共通経費化を実現し、また、学習・教育に資する学生用図書の充実にも努めています。さらに、東京大学で創出される世界水準の研究成果を国際的に発信・流通させ社会に還元するための拠点として、学術機関リポジトリ「UT Repository」の構築、拡充にも力を入れています。
同時に、東京大学創立以来130年余にわたって蓄積されてきた貴重な人類の知的財産を後世に継承するという図書館の使命を果たすため、柏図書館の自動化書庫導入による自然科学系学術雑誌バックナンバーセンターの設置や、全学に存在する貴重書コレクションの保存・管理環境の整備を進めているところです。
これら多くの取り組みを主体的かつ機動的に推進するためには、キャンパス拠点図書館である総合図書館、駒場図書館、柏図書館と、様々な学問分野を基礎とする各学部・研究所の34の図書館・室が「共働する一つのシステム」として有機的な連携・協力をより一層強くしていかなくてはなりません。
東京大学附属図書館は、「世界を担う知の拠点」たるべき東京大学の学術情報基盤を充実させるため不断の努力を重ねることにより、さらに魅力ある図書館へと進化していこうと決意しております。利用者の皆様には、今後とも積極的に附属図書館を活用していただくとともに、忌憚のないご意見をお寄せくださるよう心からお願い申し上げます。




